大阪府吹田市のスポーツ鍼灸マッサージ治療院 Physical conditioning center ACT

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Jones骨折(ジョーンズ骨折)について

Jones骨折(第5中足骨近位骨幹部疲労骨折)は1902年にJonesが自身の経験をもとに報告し、現代日本でもサッカー・バスケットボール・ラグビーなどのカットやステップを切るスポーツに多く発生する。
なかでも人工芝の導入によりJones骨折が近年増えている。

Stage分類
Stage0・Ⅰ・Ⅱは保存療法の適応が高い。
StageⅢ=完全骨折に至ってしまうと、一般的に手術療法を行うことが多い。
保存療法でも3〜4ヶ月の経過で骨癒合は得られるが、スポーツ活動を再開するとともに再発することが多く、基本的には手術を行うほうが良い。
手術は骨癒合を早めるという理由よりも、再発を防ぐために行う。
StageⅣ=偽関節の場合は痛みを訴えないこともあり、競技活動に支障がある場合は手術の可能性はあるが、競技活動に全く痛みを訴えておらず、パフォーマンスの低下もない場合もある。

早期発見のために出来ること
予防の第一歩は早期発見である。
完全骨折になった場合は、多くの競技者の場合は手術適応になるので、その前段階である不全骨折の段階で発見することが大事である。
ただJones骨折は圧痛がない場合が約半数になり、圧痛や動きの中での痛みを訴えない事も多い。
この事実が早期発見を遅らせている。

Jones不全骨折の早期発見
不全骨折は起こっても痛みを訴えることが少ないため、受診をしないことも多く発見が遅れる。
1 セルフチェック・パートナーチェック・トレーナーによるチェックなどは基本になると思われ、同部の痛みに対して疲労骨折の可能性があることが選手の念頭にあったほうが早期発見に繋がる。
2 痛みがない症例については、不全骨折があるかはわからないためJones骨折検診が大切である。
エコー検査により骨折好発部位の膨隆を確認した選手を二次検診として病院にてX線で不全骨折があるかを確認する。
約10%にエコーにて膨隆を認めるも実際の不全骨折は1.8%である。

Jones骨折の保存療法
Stage0・Ⅰ・Ⅱの症例が主に保存療法の適応である。
痛みがあり、パフォーマンスが落ちている場合は短期間プレーを休ませる事もあるが、基本的にはプレーは継続しながら経過観察を行う。
【保存療法の場合に留意すること】
必ず行うこと
・練習メニューや目的によるシューズの履き替え
・外側荷重の是正
・股関節内旋可動域訓練
・股関節周囲筋力改善
・足関節足趾の可動域筋力訓練
・シューズ選び指導
可能な限り行うこと
・足底板の使用
・超音波骨折治療器(LIPUS)の使用
StageⅢにもまれに選手の希望により保存療法を行うこともあるが、基本的に競技活動を継続する場合は手術療法を奨励している。

治療のプランニング
ジョーンズ骨折は不全骨折と完全骨折で大きく治療方針が違う。
不全骨折の場合は保存療法が基本であり、完全骨折の場合は手術を選択することが多い。

完全骨折の場合
手術適応
ジョーンズ骨折は疲労骨折であり、完全骨折した場合保存的に一旦骨癒合したとしても、運動を始めるとともに再骨折することが多いと言われている。
それ故に骨癒合を図るためや早期に復帰するというよりは、骨折部の破断強度を上げて再骨折を防ぐことが最大の目的である。
疲労骨折になるほど運動強度・頻度が高い選手は一旦骨癒合しても再度スポーツ復帰した時に再発リスクがあるため、手術を勧めることを基本とする。
繰り返す力学的ストレスがあることは間違いなく再発リスクを伴う。


リハビリテーションプログラム
骨癒合前の早期復帰は、遷延治癒や偽関節など成績不良の最大の要因である。

サッカーのリハビリテーションプロトコル
1日〜
・疼痛内荷重歩行
・足関節可動域訓練(底背屈)
・タオルギャザー

1週〜
・エアロバイク

3週〜
・ヒールレイズ(両足から)
・スクワット
・内外反自動他動訓練

6週〜
・ランシューでジョギング
・段階的に加速
・リフティング

8週〜
・トレシューで基礎練習開始
・アジリティ
・両足ジャンプ

10週〜
・スパイク許可でロングキック
・対人練習開始

12週〜
・フルメニュー

2週間ごとのX線チェックにて骨癒合の進行に合わせて復帰のタイミングを微調整する。
骨癒合は2〜3ヶ月で得られるため、この頃より運動負荷が上がることが多い。
そのために復帰直後にX線で骨折部に骨透亮像が出てきて痛みを伴うことも多い。
早い復帰が成績不良のリスク因子である事が報告されており、骨癒合が得られても引き続きリハビリテーションは慎重に行う事が大切である。
2020年03月09日 18:02

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