腱の柔軟性に影響する長時間の筋収縮とは?
今日は興味深い研究についてお話ししたいと思います。
それは、我々の筋肉が長時間の収縮にどのように反応するか、特に大腿四頭筋の腱と腱膜の柔軟性にどのような影響を与えるかについてのものです。
Effects of submaximal and maximal long-lasting contractions on the compliance of vastus lateralis tendon and aponeurosis in vivo
1. 研究の背景
過去の研究では、腱の機械的特性が繰り返しの低い歪みで変化することが示されていました。
しかし、最近の研究では、高負荷や低負荷の繰り返し収縮後に腱の柔軟性が増加することが示されています。
これは、筋肉の力生成能力や怪我のリスクにどのような影響を与えるのでしょうか?
2. 方法
この研究には、12人の男性耐久トレーニング被験者が参加しました。
彼らは特定の角度でダイナモメーター上に座り、最大等尺性膝伸展収縮を行いました。
筋関節モーメント、筋電図活動、腱組織の伸長など、さまざまな測定が行われました。
3. 結果
- 被験者は等尺性部分最大疲労試験で平均4.67分、等速性最大疲労試験で平均5.67分間持続しました。
- 両方の疲労試験後の最大膝伸展モーメントは、疲労前と比較して有意に低下しました。
- 大腿四頭筋の腱と腱膜の伸長と歪みも、疲労試験後に有意に減少しました。
4. 考察
驚くべきことに、大腿四頭筋の腱と腱膜の伸長と歪みは、長時間の等尺性部分最大収縮や等速性最大収縮の後でも有意な変化はありませんでした。
これは、筋肉の疲労が腱の機械的特性の変化の前に発生することを示唆しています。
まとめ
この研究から、長時間の静的または循環的な機械的荷重後でも、大腿四頭筋の腱および腱膜の柔軟性に変化はないことが確認されました。
これは、筋肉の健康やパフォーマンスに関する知識を深めるための重要な一歩となります。
2023年10月25日 15:33