炎症時の白血球の動き:細胞浸潤と走化性
私たちの体は、外部からの侵入者や損傷に対して、炎症という反応を起こします。
この炎症の中心には、白血球という免疫細胞が大きな役割を果たしています。
今回は、炎症が生じた際の白血球の動きに焦点を当ててみましょう。
1. 血管の変化と白血球の位置移動
炎症が生じると、血管の透過性が亢進します。
これにより、血管内の液体成分が減少し、血の粘性が増加します。
この結果、血流が遅くなります。
通常、白血球は血管の中心部を流れていますが、この変化により、白血球は血管の内壁側に集まるようになります。
これを「辺縁趨向」と言います。
2. 白血球の血管外への移動
血管内壁に集まった白血球は、次第に血管内皮細胞に接着します。
そして、その形態を扁平化させ、血管内皮細胞の間隙を通り抜けます。
この過程で、白血球はコラーゲン分解酵素を分泌し、基底膜を部分的に破壊して血管外に移動します。
この現象を「細胞浸潤」と呼びます。
3. 白血球の損傷部位への遊走
血管外に出た白血球は、炎症が生じている損傷部位へと移動します。
この移動は「走化性」と呼ばれ、走化性因子の濃度勾配に影響を受けます。
走化性因子には、補体由来のC5aやアラキドン酸の代謝産物であるロイコトリエンB4、さらにはサイトカイン(特にIL-8)などがあります。
まとめ
炎症が生じると、白血球は一連の動きを通じて損傷部位へと急行します。
この一連の動きは、私たちの体が外部の侵入者や損傷に迅速に対応するための重要なメカニズムとなっています。
私たちの健康を守る白血球の活動に、感謝の気持ちを持つことが大切ですね。
以上、炎症時の白血球の動きについての解説でした。
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