大阪府吹田市のスポーツ鍼灸マッサージ治療院 Physical conditioning center ACT

土日祝日も21時まで開院してます。
トップアスリートも通う吹田のスポーツ鍼灸マッサージ治療院です。

Blk

HOME ≫ ブログページ ≫

ブログページ

痛みの分子的メカニズム: 代謝性グルタメート受容体(mGluR)の役割

痛みは、身体からの警告信号であり、潜在的なまたは実際の組織損傷を示す生理的プロセスです。
痛みの感覚は、複雑な相互作用を通じて中枢神経系と末梢神経系によって処理されます。
このブログ記事では、代謝性グルタメート受容体(mGluR)が痛みの伝達と調節にどのように関与しているかを探ります。
特に、第I群mGluRの役割とその治療への応用可能性に焦点を当てます。

代謝性グルタメート受容体(mGluR)とは

mGluRは、グルタメートによって活性化されるG蛋白質共役受容体の一群です。
これらは大きく第I群、第II群、第III群に分類され、それぞれが異なる下流のシグナル伝達経路を活性化します。
第I群mGluRは、特にmGluR1とmGluR5サブユニットから成り、細胞内カルシウム濃度の上昇とプロテインキナーゼC(PKC)の活性化に関与しています。
これらの受容体は、痛みの伝達において中心的な役割を果たしています。

痛みと第I群mGluR

第I群mGluRは、痛みの感受性に決定的な影響を与えます。
これらの受容体は、侵害感覚器において、特にcapsaicin/vanilloid receptor (VR1)とmGluR5が同じ場所に存在することが知られています。
mGluR1とmGluR5は、炎症や組織損傷に応答して活性化され、痛覚過敏や機械的異痛(allodynia)を引き起こすことができます。

痛覚過敏と治療への応用

第I群mGluRの作動薬であるs-3,5-dihydroxyphenylglycine (DHPG)を皮下注射すると、温熱痛覚過敏が起こります。
一方で、第I群mGluRの拮抗薬であるCPCCOEtやMPEPを使用すると、痛覚過敏が弱まることが示されています。
これは、mGluR5が末梢侵害神経で特に重要であることを示唆しており、特定のmGluR拮抗薬が痛みの管理に有効である可能性を示しています。

mGluRの中枢神経系と末梢神経系での違い

mGluRは中枢神経系と末梢神経系の両方で見られますが、その機能は異なります。
中枢では、第I群mGluRが他のグルタメート受容体や第II・III群mGluRの調節に関与していますが、末梢ではそのような役割を果たしていません。
この違いは、痛みの治療戦略を考える上で重要です。

結論

第I群mGluRは、痛みの伝達と調節において重要な役割を果たしています。
これらの受容体を標的とした治療法は、痛みの管理に新たな道を開く可能性を秘めています。
今後の研究によって、これらの受容体に対するより効果的な治療薬の開発が期待されます。
痛みは複雑な現象であり、その治療には多角的なアプローチが必要ですが、mGluRに関する知見は、より良い治療方法への一歩を示しています。

2024年02月28日 14:37

グルタメートによる痛みの性差: ラットから人間への洞察

グルタメートは、神経伝達物質として、私たちの神経系で広く利用されています。
この物質は特に、痛みの感覚や筋肉の反応に重要な役割を果たします。
最近の研究では、グルタメートが末梢興奮性アミノ酸受容体を活性化させることによって、筋肉の反射活動にどのように影響を与えるかが明らかにされています。
特に、この反応は性別によって異なる強度を持つことが示されています。

ラットにおけるグルタメートの影響

ラットの側頭筋にグルタメートを注射する実験では、ごくわずかな開口で反射的に閉口するという反射性顎筋反応が観察されました。
この反応は、筋感覚信号の伝導速度が2.5~5m/sであり、IVV群筋感覚神経に相当することが分かっています。
興味深いことに、このグルタメートによる反射性活動は、ラットの雄よりも雌で強いと報告されています。
これは、性別が神経反応において重要な役割を果たす可能性を示唆しています。

人間におけるグルタメートの影響

この研究をさらに深めるために、Cairnsらはヒトで同様の実験を行いました。
男女の咬筋内にグルタメートを注射すると、参加者は強い痛みを報告しました。
特に注目すべきは、その痛みが男性よりも女性の方が強かったという事実です。
この結果は、ラットでの実験結果と一致しており、グルタメートによる痛みの感受性において性差が存在することを示しています。

性差がもたらす影響

この性差は、痛みの管理や治療戦略を考える上で重要な意味を持ちます。
痛みの感受性が性別によって異なる場合、治療法を個々の患者に適応させるためには、性別を考慮に入れる必要があります。
また、痛みの基本的なメカニズムを理解する上でも、この性差は重要な手がかりを提供します。

まとめ

グルタメートによる痛みの反応における性差は、痛みの研究と治療に新たな視点をもたらします。
ラットと人間の両方で観察されるこの現象は、痛みの感受性が単に生物学的な違いによるものではなく、性別によっても異なる可能性があることを示唆しています。
今後の研究によって、この性差の背後にあるメカニズムがさらに解明されることを期待しています。

2024年02月28日 14:24

代謝性グルタメート受容体と炎症性疼痛: 神経科学の新たな理解

代謝性グルタメート受容体(mGluR)は、末梢から中枢神経系に至るまで広範囲に分布しており、神経系の機能調節に重要な役割を果たしています。
これらの受容体は、神経興奮性を高め、特定の条件下では温熱過敏を引き起こすことが知られています。
炎症性疼痛、特に末梢の侵害感覚ニューロンの損傷や活性化において、mGluRは中心的な役割を演じます。

神経興奮性と温熱過敏

代謝性グルタメート受容体は、神経伝達物質であるグルタメートによって活性化されるG蛋白質に結合する受容体です。
これらは神経興奮性を高めることによって、炎症や損傷後の温熱過敏を引き起こす可能性があります。
この過敏状態は、患者が日常的に感じる痛み以上の反応を示す原因となります。

末梢でのmGluRの役割

末梢におけるmGluRの増量は、炎症が存在する場合に特に顕著です。
炎症が発生すると、侵害感覚ニューロンの変換器膜においてmGluRの表現が増加します。
これは、炎症性疼痛の発生においてmGluRが重要な役割を果たしていることを示唆しています。
炎症性メディエーターによるこの増量は、痛み信号の増強と疼痛感の強化に寄与します。

中枢神経系での影響

中枢神経系におけるmGluRの役割はさらに複雑です。
これらの受容体は、記憶、学習、感情調節など、多岐にわたる脳機能に関与しています。
また、神経精神疾患の発症においても重要な役割を担っていると考えられています。
mGluRの異常な活性化や機能不全は、不安障害、うつ病、統合失調症など、多くの神経精神疾患の根底にある可能性があります。

まとめ

代謝性グルタメート受容体は、神経系の健康と病気の両方において中心的な役割を果たします。
これらの受容体の研究は、炎症性疼痛のより良い理解と治療への道を開くだけでなく、神経精神疾患の新たな治療目標の特定にも寄与することが期待されています。
今後、mGluRを標的とした治療戦略の開発が、これらの疾患の管理と治療に革命をもたらす可能性があります。

2024年02月28日 14:20

革新的な疼痛治療: 神経成長因子とPN3チャネルの役割

近年、神経痛治療の研究は目覚ましい進展を遂げています。
特に、感覚神経線維の圧迫による痛みや、糖尿病性神経症などの慢性疾患による疼痛の治療法開発に向けた研究が注目されています。
こうした疼痛は、日常生活に大きな影響を及ぼすため、効果的な治療方法の開発は急務とされています。
この記事では、疼痛治療における最前線の研究、特に神経成長因子(NGF)の使用とPN3チャネルを標的とした新しい治療法に焦点を当てます。

神経成長因子(NGF)とは

神経成長因子(NGF)は、神経細胞の生存、成長、そして分化を促進するために必要なタンパク質です。
研究によると、NGFを糖尿病性神経症の患者に投与すると、痛みが軽減されることが報告されています。
この効果は、痛みを伝達する物質であるsubstance Pの発現が調節されることによる可能性が高いです。
さらに、NGFがPN3チャネルの機序にも影響を及ぼすことが示唆されています。
これにより、疼痛の感覚伝達が調節され、痛みが緩和されるのです。

PN3チャネルと疼痛治療

PN3チャネルは、特に痛みの伝達に関わるナトリウムチャネルの一種です。
研究では、感覚神経線維を圧迫した際、TTX-R Na*電流の電位依存性が過分極方向にずれ、一定時間後にはPN3陽性率(発現率)が細胞体で低下することが観察されました。
この変化は、疼痛の感覚伝達に直接影響を及ぼし、PN3チャネルが疼痛治療の有力な標的であることを示唆しています。

革新的な治療法: Lamotrigine Analogue

PN3チャネルを標的とした新しい治療法の開発には、lamotrigine analogue(BW-4030W92)のような薬剤があります。
この薬剤は、炎症やニューロパチー(神経痛)による痛みに対して非常に有効であり、局所麻酔薬に似た非選択的なナトリウムチャネル遮断作用を持ちます。
このような薬剤の開発は、疼痛治療における新たな可能性を開くものであり、多くの患者にとって希望の光となっています。

まとめ

疼痛治療におけるこれらの研究は、慢性的な痛みを抱える患者にとって新たな治療選択肢を提供する可能性を秘めています。
神経成長因子の利用やPN3チャネルを標的とした薬剤の開発は、疼痛管理の新しい時代を切り開くものです。
これからも、これらの研究の進展に大きな期待が寄せられています。

2024年02月28日 14:14

中枢性感作:慢性痛の謎を解明するキー

慢性痛は、多くの人々が直面する複雑な医学的課題です。
この記事では、中枢性感作という現象を通じて、慢性痛がどのようにして発生するかを探ります。
中枢性感作は、慢性痛への移行において重要な役割を果たすプロセスです。


中枢性感作の概要
中枢性感作は、末梢神経での反応性の増大が中枢神経系にも及ぶ現象です。
これは、末梢神経からの痛み情報が中枢神経系に繰り返し伝達されることによって引き起こされます。
この繰り返される刺激により、中枢神経系はより敏感になり、結果として慢性痛へと繋がることがあります。


伝達物質とその影響
末梢からの痛み情報が中枢に伝達される際、サブスタンスP(SP)やグルタミン酸(Glu)などの神経伝達物質が関与します。
特にグルタミン酸は、痛み情報の伝達において中心的な役割を担います。
これらの伝達物質の放出により、中枢神経系の感受性が高まり、痛みへの反応が増幅されます。


AMPA受容体とNMDA受容体
中枢神経系におけるグルタミン酸の影響は、特にAMPA受容体とNMDA受容体を通じて顕著になります。
AMPA受容体は、グルタミン酸の初期の受容に関与し、NMDA受容体は長時間にわたる大量のグルタミン酸の影響に反応します。
これらの受容体の活性化は、中枢神経系の感受性を高め、慢性痛の発生に寄与します。


結論
中枢性感作は、慢性痛の理解と治療において重要な概念です。
このプロセスを通じて、痛みの感知と処理の方法が変化し、慢性痛が発生する可能性が高まります。
この知識は、慢性痛のより効果的な治療法の開発に貢献することが期待されます。
慢性痛の理解を深め、より良い治療法を見つけるために、中枢性感作に関するさらなる研究が求められています。

2024年02月26日 13:27

神経性炎症:体内の隠れた火種を解き明かす

神経性炎症は、私たちの身体で静かに進行する複雑な生理学的プロセスです。
この記事では、神経性炎症の基本的なメカニズムと、その影響について詳しく解説します。
これは、私たちの健康を守る上で重要な役割を果たす過程です。


神経性炎症の基本
神経性炎症は、ポリモーダル受容器を持つ神経が引き起こす反応です。
この受容器は、多種多様な刺激に反応する能力を持ち、その情報を脊髄へと伝達します。
しかし、この伝達は一方通行ではありません。
組織側の軸索末端からも、サブスタンスP(SP)やカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)などの伝達物質が放出されます。


サブスタンスPとCGRPの作用
これらの伝達物質は、血管の拡張や血管透過性の亢進作用を持ちます。
これにより、炎症反応が促進され、組織の修復や防御反応が活性化されます。
また、肥満細胞に作用してヒスタミンの遊離を促進し、炎症反応をさらに強化します。


神経性炎症の種類
神経性炎症には主に2つのタイプがあります。
一つは「軸索反射」と呼ばれ、神経軸索の途中で側枝への情報伝達によって生じます。
もう一つは「後根反射」と呼ばれ、後根を介して別の神経を興奮させることで生じます。
これらは、組織の損傷時に生じる反応と似ており、身体の防御機構の一環として機能します。
 

結論
神経性炎症は、私たちの身体が損傷や異物に反応して自己を守るための重要な機構です。
この複雑な生理学的プロセスを理解することは、さまざまな疾患の治療や管理に役立ちます。
研究が進むにつれて、私たちはさらに多くのことを学び、より効果的な治療法を開発できるようになるでしょう。

2024年02月26日 13:15

神経損傷と痛覚過敏: 電位依存性ナトリウムチャネルの長期変化の謎を解く

神経損傷後の痛覚過敏は、神経系の複雑な応答の一例です。
最近の研究により、侵害刺激が体性感覚系に持続的な過敏を引き起こし、これが記憶に似たメカニズムによるものであることが明らかになりました。

アメフラシの研究からの洞察

軟体動物アメフラシへの侵害刺激は、侵害感覚ニューロンに長期持続過剰興奮(LTH)を引き起こします。
これは、nitric-oxide (NO)-cyclicGMP-protein kinase G (PKG) 回路によって誘発されることがわかっています。
cGMPを注射するとLTHが起こり、その拮抗剤を与えるとLTHは消失します。

ラット三叉神経ニューロンの研究

Liuらのラット三叉神経ニューロンの研究では、細胞内のcGMP依存性経路の影響により、電位依存性TTX-R Naチャネルの活動が下がり、侵害感覚神経の興奮性が低下することが明らかになりました。

神経腫の形成と痛覚過敏

脊椎動物で神経を完全に切断すると神経腫が形成され、数週後には過剰痛覚興奮の発生が見られます。
機械的刺激に対する閾値の低下、後放電の持続、自発性放電などが起こります。

TTX-R と TTX-S Na チャネルの変化

痛覚過敏の期間には、TTX-R Naチャネルを符号化するmRNAの発現が低下し、TTX-S Naチャネルを符号化するmRNAの発現が増加します。
軸索切断後に見られる過剰興奮は、TTX-R Naから低閾値のTTX-S Na電流にシフトすることにより引き起こされます。

まとめ

このような研究結果は、神経損傷後の痛覚過敏に関する私たちの理解を深めています。
電位依存性ナトリウムチャネルの長期的な変化が痛覚過敏の背景にあることを示しており、これらの知見は将来的に痛みの治療法に新たな方向性を与えるかもしれません。

2024年02月22日 15:21

ナトリウムチャネルの多様性と痛覚調節:遺伝子の視点から

ナトリウムチャネルは、私たちの神経系において重要な役割を果たしています。
特に、痛覚の伝達と調節においてナトリウムチャネルの多様性が鍵となります。
最近の研究により、異なる遺伝子から発現される11種類のナトリウムチャネルのα-subunitが存在し、これらが痛覚にどのように関与しているかが明らかになってきました。

ナトリウムチャネルα-subunitの多様性

これら11種類のナトリウムチャネルのうち、5種類が脊髄後根神経節(DRG)ニューロンに存在します。
これらは大きく2群に分けられます。第一群はSNS(sensory neuron specific)またはPN3と呼ばれ、第二群はNaNまたはSNS2と呼ばれます。

SNSチャネルとその役割

SNS遺伝子が除去されたマウスでslow TTX-R Na電流が観察されないことから、SNSチャネルがこの電流を担っていることが明らかにされました。
これは、痛覚過敏の研究において重要な発見です。

侵害感覚ニューロンとTTX-R Na* 電流

TTX-R Na*電流は、侵害感覚特性を持つニューロンに限って存在します。
これは痛みの伝達における重要な要素であり、炎症性仲介物によってその活動閾値が変化することが分かっています。
例えば、プロスタグランジンE2やセロトニンなどの物質によって、これらの電流の活動が活性化され、細径神経の活動電位の頻度が増加します。

炎症とナトリウムチャネルの相互作用

ナトリウムチャネルの活動は炎症によっても変化します。
プロスタグランジンE2などの炎症性物質は、アデニル酸シクラーゼやプロテインキナーゼA(PKA)、プロテインキナーゼC(PKC)を活性化し、ナトリウムチャネルの振幅や持続を増加させます。
これにより、痛覚伝達におけるナトリウムチャネルの役割が強化されます。

まとめ

ナトリウムチャネルのα-subunitの多様性とそれらの遺伝子発現の違いは、痛覚の理解において非常に重要です。
これらのチャネルが痛みの感覚、特に痛覚過敏や炎症にどのように関与しているかを理解することは、痛みの治療において新たなアプローチをもたらす可能性があります。

2024年02月22日 15:03

ナトリウムチャネルと神経損傷後の回復: 新たな発見の光

神経系の損傷と回復は、神経科学の中でも特に興味深い領域です。
最近の研究では、特定のナトリウムチャネル、特にNav 1.8、Nav 1.7、Nav 1.6が、神経損傷後の回復プロセスにおいて重要な役割を果たしていることが示されています。

Nav 1.8と神経損傷後の回復

Rozaらの研究によると、Nav 1.8が欠如しているマウスでは、神経を切断した後の自発性放電が時間の経過と共に減少し、最終的には完全に停止することが発見されました。
これは、Nav 1.8が神経損傷後の異所性放電に深く関与していることを示唆しています。

Nav 1.8の特徴と役割

Djouhriらの研究では、Nav 1.8様免疫反応が侵害感覚ニューロンに強く現れ、低閾値機械感覚ニューロンでは弱い反応が見られることが報告されています。
このことは、Nav 1.8が痛みの伝達に特に関与していることを示しています。

Nav 1.7とNav 1.6の役割

一方、Nav 1.7はDRGニューロンの大きさや伝導速度と反比例するパターンで発現しています。
Nav 1.6はRanvier絞輪に主に存在し、両者ともに速く活性化し、速く不活性化します。
しかし、不活性からの回復はNav 1.7よりNav 1.6の方が遥かに速いことがわかっています。

Naチャネルの多様な表現と神経機能

これらの発見から、脊髄後根神経節ニューロンの放電特性は、さまざまなNaチャネルの発現パターンに密接に関連していると考えられます。
このことは、神経損傷後の回復過程におけるナトリウムチャネルの役割を理解する上で重要な意味を持ちます。

まとめ

ナトリウムチャネルNav 1.8、Nav 1.7、Nav 1.6の研究は、神経損傷と回復のプロセスに新しい光を当てています。
これらのチャネルが神経の機能と回復にどのように影響を与えるかを理解することは、神経障害治療における新たな治療法の開発につながる可能性があります。

2024年02月22日 14:58

電位依存性ナトリウムチャネル:痛み感覚の新たな理解

痛みは私たちの日常生活において避けられない感覚であり、その生理学的基盤を理解することは医学の重要な分野です。
最近の研究では、電位依存性ナトリウムチャネル(Na*チャネル)が侵害感覚器の興奮性を修飾し、痛みの感覚に大きく関与していることが明らかになりました。

電位依存性 Na*チャネルの基本

電位依存性 Na*チャネルは、神経細胞の興奮性を制御する重要な役割を果たします。
これらのチャネルは、活動電位(神経信号)の起始や伝播を担う内向きナトリウム電流に由来するものです。

TTX-SFとTTX-R Na*電流

成体の脊髄後根神経節(DRG)のすべてのニューロンには、tetrodotoxin(TTX)に敏感で速く不活性化されるナトリウム電流(TTX-SF)が存在します。
小径ニューロンには、TTXに鈍感で速く不活性化される電流(TTX-R)や、ゆっくり不活性化される電流(TTX-R)もあります。

TTX-R Na*電流の役割

TTX-R Na*電流は、痛みに関連する小径の侵害感覚ニューロンに多く存在します。
これらの電流は一酸化窒素(NO)や関連物質によって抑制され、痛み感覚の調節に重要な役割を果たします。

Na*チャネルの特定

特に、TTX-R Na*電流チャネルのα-subunitであるNav 1.9とNav 1.8は、痛み感覚において重要な役割を果たしています。
Nav 1.9は低い活性化閾値を持ち、過分極電位で極端に遅い不活性経過を取ります。
Nav 1.8は、比較的に高い活性化閾値を持ち、痛み感覚に関与しています。

未来の研究と治療法

この知見は、電位依存性 Na*チャネルが、痛みの感覚とその処理において重要な役割を果たしていることを示しています。
これらのチャネルを標的とする新しい治療法の開発は、痛みの管理において大きな可能性を秘めています。
今後の研究によって、より効果的な疼痛管理法が開発されることが期待されます。

まとめ

電位依存性 Na*チャネルの研究は、痛みの感覚とその生理学的基盤に新たな光を当てています。これらのチャネルの理解を深めることで、痛みの治療において新たな道が開かれることでしょう。

2024年02月22日 14:51

06-6170-1022

大阪府吹田市山田西1丁目36番1号
第5旭栄ビル203B号

営業時間
9:00~21:00
定休日
不定休

店舗概要こちらから

Side Menu

モバイルサイト

スポーツ鍼灸マッサージ治療院 physical conditioning center ACTスマホサイトQRコード

physical conditioning center ACTモバイルサイトへはこちらのQRコードからどうぞ!