大阪府吹田市のスポーツ鍼灸マッサージ治療院 Physical conditioning center ACT

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感覚の最深部:ヒトの第四次感覚神経系と島皮質の複雑な関係

私たちの感覚処理の謎を解明する上で、第四次感覚神経系は特に興味深い領域です。
霊長類、特にヒトにおいて、この神経系は島皮質との独特な関係を持っています。
今回は、この複雑な神経系と、私たちの感覚認識におけるその役割について探求してみましょう。

第四次感覚神経系の概要

第四次感覚神経系は、脊髄後角第I層から上行する神経活動に関連しています。
非霊長類では、これらの神経活動は脳幹の数カ所に終わりますが、霊長類、特にヒトでは、島皮質への投射が見られます。

島皮質との関連

背後側島皮質(dorsal posterior insular cortex)は、視床からの求心性入力を受けています。
この領域は、全身の感覚活動を地図状に、質選択的に受け取ります。
これには痛覚、痒感覚、温度感覚、筋感覚、軽い触覚、飢餓感、口渇感、心肺活動感覚などの体内感覚が含まれます。

島皮質内の情報の流れ

受け取った感覚情報は、中間島皮質(middle insular cortex)を経て、右側(非優性)の前部島皮質(anterior insula cortex)に投射されます。
このプロセスにより、感覚情報は主観的な「気持ち全体」として認識されると考えられています。

人間の感覚認識の独特さ

この第四次感覚神経系は、ヒトにおける感覚認識の独特さを示しています。
サルでは形態的にわずかに見分けられる程度のこの系統が、ヒトでは大きく広がっていることは、私たちの感覚体験の豊かさと複雑さを示唆しています。

総括

第四次感覚神経系と島皮質の関係の理解は、人間の感覚処理のメカニズムを解明する鍵となります。
この知識は、神経科学、心理学、医学などの多岐にわたる分野において重要な意味を持ち、感覚障害や感情処理障害の治療に新たな光を当てる可能性があります。
ヒトの感覚認識の奥深さを探る旅は、まだまだ続いています。

2023年12月05日 17:17

神経系の深層探索:第三次感覚神経系と自律神経系の複雑な連携

神経科学において、第三次感覚神経系は、私たちの体がどのように感覚情報を処理し、それを自律神経系とどのように連携させるかを理解する上で重要な要素です。
この記事では、この複雑な神経系の構造と機能について深く掘り下げてみましょう。

第三次感覚神経系の基本構造

第三次感覚神経系は、第二次感覚ニューロンの軸索が脊髄内で反対側に交差し、外側脊髄視床路を上行して脳幹と視床に達することが特徴です。
ここでは、脳幹網様体に側枝を出し、視床内の腹後外側核にある第三次ニューロンとシナプスを形成します。

脳幹における感覚統合

脳幹では、恒常性感覚統合部に投射されます。
これには腹外側延髄の尾部と頭側部、catecholamine細胞グループ(A1-A2やA5-A7)、傍小脳複合体(parabrachial complex)、導水管周囲灰白質が含まれます。
これらの領域は、感覚情報の統合と自律神経系の調節に重要な役割を担っています。

自律神経系との連携

胸腰部脊髄の自律神経細胞柱にも投射され、ここには交感神経節前運動ニューロンが存在します。
また、孤束核から副交感神経の求心性活動を受け、視床下部や扁桃核との強い相互連絡が確立されています。
これらの神経回路は自律神経系の中枢を形成し、体性自律神経反射の基盤を構築します。

下行性修飾の役割

この脳幹前自律神経中枢からは、脊髄後角第1層に対して下行性修飾が行われます。
第I層は視床下部からの下行性制御の標的でもあり、これによって感覚情報の処理と自律神経反応が調節されます。

総括

第三次感覚神経系と自律神経系の相互作用は、私たちの身体が外界からの刺激をどのように処理し、それにどのように反応するかを理解する上で非常に重要です。
これらの神経系の詳細な研究は、痛みや感覚障害の治療法の開発において重要な役割を果たしています。
神経科学の進歩によって、これらの複雑なシステムの理解が深まり、より効果的な治療法の開発に繋がることが期待されます。

2023年12月05日 17:03

関節リウマチの未来を切り開く:新しい生物学的製剤とその可能性

関節リウマチ治療における最新の進展は、生物学的製剤の開発に大きく関連しています。
特に、Th17細胞をターゲットとする治療法が注目されています。
この記事では、関節リウマチに対する新たな治療戦略としての、抗IL-17抗体、抗インターロイキン12/23 p40 抗体、抗インターロイキン23p19抗体の研究動向について探求します。

Th17細胞をターゲットとする治療法

Th17細胞は、関節リウマチの病態において重要な役割を果たしていることが知られています。
この細胞をターゲットとする生物学的製剤の開発が活発に行われており、関節リウマチ治療の新たな可能性が広がっています。

抗IL-17抗体の可能性

抗IL-17抗体、特にLY2439821やsecukinumabの関節リウマチに対する効果が注目されています。
第Ⅱ相試験の結果では、TNFα阻害療法やインターロイキン6阻害療法と比べると劣るものの、LY2439821には有意な効果が示されています。

抗インターロイキン12/23 p40 抗体の展望

抗インターロイキン12/23 p40抗体であるustekinumabとbriakinumabは、乾癬治療にすでに使用されていますが、関節リウマチに対する効果についてはまだ治験中です。
今後の解析結果が待たれる状況です。

総括

これらの新しい生物学的製剤の開発は、関節リウマチ治療における新たな希望となっています。
これらの製剤は、従来の治療法と比較して異なるアプローチを提供し、特に抗体治療による炎症性骨破壊の抑制に期待が集まっています。
今後の臨床試験の結果やさらなる研究により、これらの治療法が関節リウマチ患者の生活の質の向上にどのように寄与するかが注目されます。
関節リウマチ治療の未来は、これらの新しい治療戦略によって大きく変わる可能性があります。

2023年12月05日 16:48

関節リウマチにおける革新的治療:炎症性骨破壊への新たなアプローチ

関節リウマチは、炎症性の骨破壊を特徴とする難治性の自己免疫疾患です。
最新の治療戦略では、この病態に直接作用する新しい方法が探求されています。
今日は、関節リウマチにおける最新の治療方法とその効果について詳しく見ていきましょう。

抗IL-6受容体抗体の可能性

抗IL-6受容体抗体は、TNFα阻害療法と同様に、破骨前駆細胞や分化支持細胞への作用が期待されています。
また、Th17細胞の阻害により、自己免疫炎症の上流で作用する可能性があります。
最近の研究では、Th17細胞が産生するインターロイキン17が炎症の局所でインターロイキン6の産生を増幅し、関節炎の病態に重要な役割を果たしていることが明らかになっています。
これにより、Th17細胞のエフェクター機能を阻害する治療法に対する期待が高まっています。

CTLA4-Ig(abatacept)の進展

2010年に国内で承認されたCTLA4-Ig(abatacept)は、TNFα阻害療法には劣るものの、骨破壊の抑制効果が臨床レベルで報告されています。
この治療法は、その安全性の高さからも注目されており、関節リウマチ治療の新たな選択肢として評価されています。

総括

これらの治療方法は、関節リウマチにおける炎症性骨破壊に対する効果的なアプローチを提供し、患者の生活の質の向上に寄与することが期待されています。
これからも、これらの治療法のさらなる研究と開発が注目され、関節リウマチ患者にとっての希望の光となるでしょう。
関節リウマチ治療の進展により、患者の日々の生活がより良いものになることを期待しています。

2023年12月05日 16:29

新時代の関節リウマチ治療:炎症性骨破壊を克服する最先端治療戦略

関節リウマチは、関節の炎症と骨破壊を伴う自己免疫疾患です。
近年の研究と臨床試験により、関節リウマチの治療法において、炎症を抑制し、骨破壊を防ぐ新たな戦略が明らかになってきました。
この記事では、関節リウマチにおける炎症性骨破壊の治療戦略について探求します。

遅効性抗リウマチ薬の進化

遅効性抗リウマチ薬は、炎症を抑制することを主な目的として開発されてきました。
最近の研究では、メトトレキサート、レフルノミド、サラゾスルファピリジン、ブシラミン、タクロリムスなどがRANKL(骨吸収調節因子)シグナルの抑制やRANKL発現の抑制効果を持つことが示されています。
これは、これらの薬が単に炎症を抑制するだけでなく、骨破壊の抑制にも寄与することを意味します。

生物学的製剤の効果

TNFα(腫瘍壊死因子α)に対する中和抗体や可溶性受容体は、関節リウマチ治療において長い実績を持つ生物学的製剤です。
これらの製剤は、炎症の顕著な抑制能力だけでなく、骨破壊に対しても効果を示すことが実証されています。

抗IL-6受容体抗体の臨床試験

日本発の抗IL-6受容体抗体、tocilizumabも関節破壊に対する強い抑制効果を持っていることが、一連の臨床試験から確認されています。
IL-6(インターロイキン6)は、関節リウマチにおける炎症と骨破壊の重要な調節因子であり、これを標的とする治療法は、関節リウマチの進行を効果的に抑制する新たな選択肢となっています。

総括

これらの治療戦略の進展により、関節リウマチの治療は新たな局面に入っています。
遅効性抗リウマチ薬の進化、生物学的製剤の効果的な活用、そして新たな生物学的製剤の開発は、関節リウマチ患者の治療選択肢を広げ、生活の質を向上させることに大いに寄与しています。
今後も、これらの治療法の更なる研究と開発が期待されています。

2023年12月05日 16:18

関節リウマチ治療の革命児:疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)の役割と展望

関節リウマチの治療において、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)は、現代医学における重要な一歩として注目されています。
DMARDは、関節リウマチの病態形成に関与する自己免疫異常を制御し、病気の進行を遅らせることを目的としています。
今回の記事では、DMARDの役割と機能について詳しく見ていきましょう。

DMARDの基本的な役割

DMARDは、関節リウマチの治療において最も効果的な薬物の一つです。
これらの薬は、自己免疫異常を制御することにより、病気の活動性をコントロールし、結果として関節の損傷や機能障害の進行を遅らせることができます。

抗炎症作用との併用

DMARD自体には抗炎症作用はほとんど期待できません。
そのため、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と併用して使用されることが一般的です。
この組み合わせにより、痛みや腫脹の管理と病態の進行抑制の両方を目指します。

DMARDの種類と作用機序

DMARDは大きく分けて免疫調整薬と免疫抑制薬の二つに分類されます。
免疫調整薬は正常な免疫機能に影響を与えず、異常な免疫機能を正常化することを目的とします。
一方、免疫抑制薬は全ての免疫機能を抑制し、自己免疫反応を弱めることで病態の進行を遅らせます。

メトトレキサート:DMARDの代表的製剤

メトトレキサートは、DMARDの中でも特によく使用される製剤です。
この薬は、免疫グロブリンの産出を抑制し、血管内皮細胞や滑膜B細胞の増殖を抑える効果があるとされています。
これにより、関節リウマチの病態に直接作用し、病気の進行を抑制します。

総括

疾患修飾性抗リウマチ薬は、関節リウマチ治療において革新的な役割を果たしています。
これらの薬は、病気の進行を遅らせることにより、患者の生活の質を向上させることが期待されています。
しかし、副作用や治療効果の個人差を考慮し、患者一人ひとりに合った治療計画を立てることが重要です。
これからも、関節リウマチ治療のさらなる進歩と改善が期待されます。

2023年12月05日 13:55

ステロイド治療の進化と課題:関節リウマチへの影響を中心に

ステロイド薬、またの名を副腎皮質ホルモン薬とも呼ばれるこの薬は、1940年代後半以降、関節リウマチ治療の重要な一翼を担ってきました。
今日、私たちはステロイド薬の作用メカニズム、治療への利用、そしてその副作用について掘り下げてみましょう。

ステロイド薬の抗炎症作用

ステロイド薬の主な作用は、強力な抗炎症効果です。
これは、アラキドン酸カスケードにおけるホスホリパーゼA2やCOX-2の抑制によって実現されます。
この作用により、関節リウマチにおける痛みや腫脹などの自覚症状が改善されることが知られています。

免疫抑制効果と関節破壊の抑制

大量に投与されたステロイド薬には、免疫抑制効果も認められます。
これは、マクロファージの活性抑制と炎症性サイトカインの産出抑制、Tリンパ球の活性抑制によってもたらされます。
特に、関節リウマチの発症初期に使用することで、関節破壊の進行を抑える効果が期待されます。

副作用と使用時の注意

しかし、ステロイド薬は副作用も多く、使用する際には慎重な判断が必要です。
進行期に使用しても関節破壊の進行を完全に抑えることは困難であり、糖尿病、易感染性、骨粗鬆症、筋萎縮などの副作用が生じることがあります。

総括

ステロイド薬は、関節リウマチの治療において重要な役割を果たしてきましたが、その使用には副作用への注意が必要です。
医療従事者や患者は、利点とリスクを十分に理解し、治療方針を慎重に決定することが求められます。
これからも、より安全で効果的な治療法の開発が進むことを期待しています。

2023年12月05日 13:46

解剖する: 脊髄と第二次感覚神経系の複雑な関係

今日は、私たちの体の中でも特に複雑な部分の一つ、第二次感覚神経系に焦点を当てます。
このシステムは、痛み、痒み、温度感覚などの基本的な感覚を処理し、私たちの日常生活において重要な役割を果たしています。

脊髄と感覚神経

脊髄の後角には、Rexedの第I層と第II層が存在し、これらの層にはAδとCの細径第一次感覚神経が単シナプス性に終わります。
これらの細径感覚神経は、特に痛みや痒み、そして温度感覚の伝達に関与しています。

細径感覚神経の役割

細径感覚神経の発達は脊髄後角の第I層ニューロンの発達と密接に関連しています。
これらの第I層ニューロンは、交感神経介在ニューロンから発生し、細径感覚神経が後角に到達すると後角の先端に移動します。
ここで、恒常性感覚活動の統合系が形成されます。

内臓器官との関連

興味深いことに、細径感覚神経は頭蓋内副交感神経を介して内臓器官を支配し、孤束核内に脊髄後角と似た終末を作ります。
これは、私たちの内臓感覚がどのように処理されるかを理解する上で重要なポイントです。

感覚種専用のニューロン

脊髄後角の第1層には、痛み、痒み、温度感覚などの感覚種専用の小径ニューロンが存在し、第一次感覚神経の放電パターンの違いにより、それぞれ異なるニューロンが選別的に活性化されます。

痛感覚とその伝達

痛感覚に関しては、2種類の侵害細胞タイプが存在します。
侵害特殊細胞(nociceptive-specific neuron)は、一次痛を伝達し、多モード侵害細胞(polymodal nociceptive cell)は、二次痛を伝達します。

筋感覚神経

脊髄後角には骨格筋からの細径感覚神経活動に選択的に応じるニューロンも存在します。
この筋感覚神経は通常、筋動作に対する心肺調節に関与しており、強く活性化されると筋焼痛や筋痛が引き起こされます。

このように、第二次感覚神経系は私たちの感覚を理解する上で不可欠な要素であり、これらの神経の働きがいかに私たちの日常生活に影響を及ぼしているかを理解することは非常に興味深いです。
これらの知識は、痛みや感覚障害の治療に応用されることが期待されています。


 

脊髄後角のRexedの第I層と第II層は、脊髄の感覚情報処理において非常に重要な領域です。
ここでは、AδとCの細径第一次感覚神経が単シナプス性に終わることが特徴的です。
これについて詳しく見ていきましょう。

Rexedの第I層と第II層

  • Rexed層: 脊髄の灰白質はRexedという研究者によって定義された9つ(あるいは10つ)の層に分類されます。各層は異なる種類のニューロンと神経経路を含み、特定の機能を持っています。

  • 第I層と第II層: 第I層(マージナル層)と第II層(実質ゲル層)は、脊髄後角の最も表面に位置し、痛みや温度などの特定の感覚情報の処理に関与しています。

AδとCの細径第一次感覚神経

  • 細径神経: AδとCの神経は、細径感覚神経と呼ばれます。これらは主に痛み、温度、軽い触感などの感覚情報を伝達します。

  • Aδ神経線維: Aδ線維は比較的速い伝導速度を持ち、鋭い、急激な痛み(一次痛)を伝えます。これらは部分的にミエリン化されています。

  • C神経線維: C線維は非ミエリン化で、より遅い伝導速度を持ちます。これらは、燃えるような、持続的な痛み(二次痛)を伝えるのに関与しています。

単シナプス性の終末

  • 単シナプス性: これらの細径神経は、脊髄後角のRexedの第I層と第II層において、単シナプス性に終わるという特徴があります。つまり、これらの神経線維は直接これらの層のニューロンに接続し、単一のシナプスを形成します。

  • 情報の伝達: この単シナプス性接続により、感覚情報は迅速かつ効率的に中枢神経系に伝達されます。これにより、反応や処理が速やかに行われることが可能になります。

このように、脊髄後角のRexedの第I層と第II層、およびこれらの層に終わるAδとCの細径第一次感覚神経は、痛みや温度といった重要な感覚情報の伝達と処理において中心的な役割を果たしています。
これらの構造と機能の理解は、神経科学と痛み管理の分野において非常に重要です。

2023年12月03日 13:30

神経科学の窓口: 痛み、痒み、そして温度感覚の複雑な世界

今日、私たちは人間の感覚神経系における驚くべきメカニズムについて探求します。

特に、痛み、痒み、そして温度感覚がどのようにして私たちの脳に伝えられるかに焦点を当てます。


まず、AδとC感覚神経について触れましょう。

これらの神経は、皮膚に分布しており、痛みや痒み、温度感覚を伝える役割を担っています。

これらの感覚はインパルスの放電パターンの違いによって区別されます。

特に、痒みを感じる際には、histamineなどの化学物質によって活性化される特殊なイオンチャネルが関与しています。

このイオンチャネルは、Schmelzらによって「痒感単位(itch unit)」と名付けられました。
 

面白いことに、これらの特殊チャネルはprostaglandin Eによっても活性化されることがありますが、serotoninやacetylcholineは痛みに関連する別のチャネルを活性化することが多いとされています。
 

さらに、冷感覚信号を出している三叉神経の小型ニューロンには、TRPM8 mRNAの発現が確認されています。

TRPM8、つまりtransient receptor potential cation channel, subfamily M, member 8は、冷やmentholに反応する非選択的カチオンチャネルです。

特に約30°Cの低閾値で速く反応する冷に敏感なニューロンにはTRPM8が多量に存在します。


このように、私たちの感覚神経系は非常に複雑で、多様な刺激に対して精密に反応する能力を持っています。

これらの発見は、神経科学の分野においてさらなる研究の扉を開くものであり、未来の医学における治療法や薬剤開発への応用が期待されています。


 

TRPM8は、"transient receptor potential cation channel, subfamily M, member 8"の略称で、一般的には"冷感受体"や"メンソール受容体"として知られています。
これは、人間や他の哺乳動物の体に存在する特定のイオンチャネルの一種です。
TRPM8の主な特徴と機能について説明します。

TRPM8の特徴:

  1. 感覚神経に存在: TRPM8は主に体の末梢に位置する感覚神経の終端に存在します。

  2. 冷刺激への反応: TRPM8は低温(おおよそ8°Cから28°Cの間)に反応し、冷たさを感じる際の主要なメカニズムの一つです。

  3. メンソールへの反応: メンソールなどの冷感を生じさせる化学物質にも反応します。これは、メンソールが冷たさを感じさせる理由の一つです。

  4. 非選択的カチオンチャネル: TRPM8はカチオン(正の電荷を持つイオン)を選択的に通すことができます。この機能により、神経細胞は刺激に応じて電気的な信号を生成します。

機能と重要性:

  • 温度感覚: TRPM8は体温の感知に重要な役割を果たします。特に、涼しい温度を感知する際に重要です。

  • 痛みとの関連: 一部の研究では、TRPM8が痛みの感覚や緩和にも関わっている可能性が示唆されています。

  • 治療への応用: TRPM8は、痛みの治療や冷感を利用した医療製品の開発において、潜在的なターゲットとされています。

研究の進展:

TRPM8に関する研究は、神経科学や医学において活発に進められており、この受容体のより詳細な理解が新たな治療法の開発につながることが期待されています。
特に、痛みの管理や感覚障害の治療において、TRPM8は重要な研究対象です。

2023年12月03日 13:22

関節リウマチの新たな敵、Th17細胞:骨破壊の背後にあるメカニズム

関節リウマチにおける骨破壊の原因として、Th17細胞の役割が新たに注目されています。

この細胞は、炎症を引き起こし、骨破壊に直接関与することが明らかになりました。

特に、Th17細胞が産生するインターロイキン17や、これによる局所炎症が重要な役割を果たしていることが判明しています。


Th17細胞は、局所の炎症を惹起し、その結果、滑膜線維芽細胞においてRANKL(Receptor Activator of Nuclear Factor Kappa-B Ligand)の発現を誘導します。

RANKLは、骨の吸収を促進するため、これが破骨細胞の分化と活性化を促します。

さらに、Th17細胞それ自体もRANKLを発現することが分かっており、これが骨破壊における重要なメカニズムの一つであることが示されています。


この新たな発見は、関節リウマチの治療法の開発に新しい方向性を提供します。

従来の治療法では対処が難しかった骨破壊の問題に対し、Th17細胞とその産生するサイトカインに着目することで、より効果的な治療戦略が考えられるようになります。


本記事では、関節リウマチにおけるTh17細胞の特性と、それが骨破壊に与える影響について詳しく解説します。

この知見が今後の関節リウマチ治療法の進化にどのように貢献するかを探り、患者さんや医療従事者に有益な情報を提供することを目指します。

2023年12月02日 20:34

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