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コラーゲンヒドロリゼートの吸収と効果に関する新たな研究

コラーゲンは私たちの体を支える重要なタンパク質であり、特に骨や皮膚の健康に不可欠です。
最近の研究では、低分子量コラーゲンヒドロリゼート(LMW-CH)の経口投与がラットにおいてどのように吸収され、骨粗鬆症に対してどのような効果を持つかが明らかにされました。

LMW-CHの迅速な吸収

研究では、LMW-CHがラットの血液に迅速に吸収されることが確認されました。
特に、ペプチド形態での吸収が観察され、肌や腎臓に蓄積される傾向がありました。
これは、コラーゲンが消化吸収された後もその機能性ペプチドが体内で利用される可能性を示唆しています。

骨粗鬆症に対する有望な効果

卵巣摘出によって骨粗鬆症モデルとされたラットにLMW-CHを投与したところ、大腿骨の有機物質含量が増加し、水分含量が減少しました。
これは、LMW-CHが骨の質を改善する可能性があることを示しています。
ただし、骨の長さや直径には影響を与えなかったため、骨の密度や強度に対する影響についてはさらなる研究が求められます。

LMW-CHの安全性と効率的な利用

実験では、LMW-CHが食品グレードの原料から調製され、その安全性が確認されました。
また、LMW-CHは特定のペプチドトランスポーターを介して腸から吸収されることが示唆されており、これにより効率的な利用が可能になるかもしれません。

今後の展望

この研究は、コラーゲンヒドロリゼートが骨粗鬆症の治療において有益な効果をもたらす可能性を示していますが、人間での効果を確認するためにはさらなる臨床試験が必要です。
また、最適な投与量や長期的な安全性についても検討する必要があります。

この研究は、コラーゲンサプリメントの効果に関心のある人々にとって、非常に興味深いものです。
コラーゲンが私たちの体内でどのように機能し、健康をサポートするかについての理解を深める一歩となるでしょう。

2023年11月06日 22:55

Arrabidaea chica抽出物:アキレス腱の回復を助け、治癒中のコラーゲン含有量を変化させる

治癒において、自然はしばしば最も強力な治療法を提供します。
最近の研究では、伝統的な薬用植物であるArrabidaea chica(一般に「crajiru」または「pariri」として知られています)が、アキレス腱の損傷の治療においてどのように効果的であるかを探っています。
この研究「Arrabidaea chica extract improves gait recovery and changes collagen content during healing of the Achilles tendon」は、この植物内の化合物が治癒プロセス中の歩行回復とコラーゲン含有量の変化に重要な役割を果たす可能性があることを示唆しています。

腱損傷の治癒の挑戦

特にアキレス腱を損傷する腱の怪我は、その治癒プロセスが遅いことで悪名高いです。
他の組織とは異なり、腱は再生するのではなく、線維性の瘢痕組織の形成によって治癒します。
これにより、機能障害や関節の動きの制限が生じ、回復が非常に遅く、しばしば痛みを伴うプロセスになります。

腱修復におけるコラーゲンの役割

コラーゲンは腱の細胞外マトリックス(ECM)の主要成分であり、この組織の生体力学的強度を提供します。
治癒プロセス中にコラーゲンの合成と繊維束への再編成を刺激することが重要です。
ここで、Arrabidaea chica抽出物が有望な可能性を示しています。

研究の詳細

問題の研究では、ラットモデルを使用して、腱修復におけるA. chica抽出物の局所適用の効果を調査しました。
結果は有望でした:

  • コラーゲン含有量の増加:A. chica抽出物の適用により、怪我の7日目と21日目に総コラーゲン含有量が増加しました。
  • タイプIおよびIIIコラーゲン:治癒の初期段階でタイプIおよびIIIコラーゲンが減少し、A. chicaが他のコラーゲンタイプの合成に影響を与えるか、または分解されたコラーゲン断片からのヒドロキシプロリンの存在に関連している可能性が示唆されました。
  • 非コラーゲン性タンパク質(NCP):抽出物は怪我後7日目にNCPの濃度を減少させました。これは炎症媒介物質の減少を示す可能性があります。
  • 歩行回復:CatWalkシステム分析によると、A. chica抽出物は特に治癒の急性期に歩行回復を改善しました。

抗炎症特性

A. chicaの抗炎症特性は、カラジュリンなどの化合物に起因する可能性があります。
これらは、炎症性サイトカインおよび酵素の遺伝子の転写を調節する重要な因子を阻害する可能性があります。
これにより、研究で観察された痛みと腫れの減少が説明され、怪我後の歩行中に動物の足の支持が改善されました。

MMP-9およびMMP-2:腱治癒における重要な酵素

マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は、腱の治癒中のECMのリモデリングにおいて重要な役割を果たす酵素です。
研究は、A. chica抽出物がMMP-9およびMMP-2に与える影響を強調しました:

  • MMP-9:抽出物は怪我後14日目にMMP-9の合成と活性化を減少させました。これはA. chica抽出物の抗炎症活性を示唆しています。
  • MMP-2:怪我後14日目までMMP-2の合成または活性化を刺激することはありませんでしたが、21日目にはこの酵素の合成を促進するようです。

治癒への影響

この研究の結果は、治癒プロセスにおけるA. chicaの伝統的な使用をサポートしています。
植物抽出物の局所適用は、コラーゲンの合成を刺激し、腱修復に関与する重要な酵素の活動を調節し、怪我後の動物の機能回復を改善しました。

今後の道のり

結果は有望ですが、A. chica抽出物が腱損傷後の炎症とコラーゲンの再編成にどのように影響を与えるかを完全に理解するためには、さらなる研究が必要です。
この天然抽出物が腱修復を強化する可能性は明らかであり、腱損傷のための新しい、より効果的な治療法への道を開くかもしれません。

2023年11月06日 14:54

アキレス腱修復におけるコラーゲンタイプIスポンジの効果:ラットモデルでの新たな発見

アキレス腱の損傷は、スポーツ選手から一般の人々まで、多くの人々に影響を与える一般的な怪我です。
治癒プロセスは長く、時には完全な回復には至らないこともあります。
しかし、最近の研究「Effect of a Simple Collagen Type I Sponge for Achilles Tendon Repair in a Rat Model」によると、コラーゲンタイプIスポンジを使用することで、アキレス腱の治癒が加速され、機械的特性が改善される可能性があることが示されました。

研究の概要

この研究では、42匹の成熟したオスのSprague Dawleyラットを用いて、アキレス腱の治癒過程におけるコラーゲンタイプIスポンジの効果を評価しました。
ラットのアキレス腱を切断した後、半数にはコラーゲンタイプIスポンジが挿入され、残りの半数は何も挿入されないコントロール群として設定されました。

主な発見

  • 改善された生体力学的特性: スポンジ群の腱は、コントロール群に比べて短く、太く、より強いことが示されました。
    特に、1週間後には負荷耐性が顕著に高く、4週間後にはより柔軟性がありました。
  • 組織学的安全性: コラーゲンスポンジによる炎症反応は観察されませんでした。
    これは、スポンジが生体組織と高い互換性を持つことを示唆しています。
  • 治癒の加速: コラーゲンスポンジを用いた腱は、治癒過程を通じて、コントロール群よりも早くネイティブ腱に近い機械的特性を示しました。

研究の意義

この研究は、アキレス腱修復における新しい治療法として、コラーゲンタイプIスポンジの使用が有望であることを示しています。
シンプルながらも効果的なこのアプローチは、腱工学の分野において重要な進歩を表しており、将来的には人間の患者における治療に応用できる可能性があります。

今後の展望

このラットモデルでの研究結果は極めて有望ですが、人間の患者における臨床研究が必要です。
これらの研究を通じて、コラーゲンスポンジが人間の腱の治癒能力をどのようにサポートするかをさらに理解することができるでしょう。

結論

アキレス腱の怪我は回復が難しいことが多いですが、コラーゲンタイプIスポンジのような革新的な治療法が、患者の回復時間を短縮し、より良い治癒結果をもたらすことが期待されます。
この研究は、腱の修復における新たな地平を開くものであり、今後の臨床応用に向けた一歩となるでしょう。

2023年11月06日 13:23

アキレス腱症の患者に朗報:特定のコラーゲンペプチドの補給が回復を加速

アキレス腱症はランナーやスポーツ愛好家にとって一般的な障害であり、しばしば長期間の痛みや不快感を伴います。
しかし、最近の研究が示す新たな治療法により、この厄介な問題に対する希望が見えてきました。

Oral Supplementation of Specific Collagen Peptides Combined with Calf-Strengthening Exercises Enhances Function and Reduces Pain in Achilles Tendinopathy Patients」というタイトルのこの小規模ながらもコントロールされたパイロット研究は、特定のコラーゲンペプチド(sCPs)の経口補給が、慢性アキレス腱症の症状を持つ患者の回復を促進する可能性があることを示唆しています。

研究の概要

  • 研究は、慢性アキレス腱症の患者20名を対象に行われました。
  • 参加者は、ふくらはぎ強化運動とランニングへの復帰プログラムに加えて、sCPsの経口補給を受けました。
  • 痛みと機能の改善はVISA-A質問票を通じて評価され、アキレス腱の微小血管の変化はCEUSを用いて評価されました。

主な発見

  • sCPsの補給は、VISA-Aスコアの改善に有意な相互作用を示し、臨床的な利益を加速する可能性があります。
  • 微小血管の変化はsCPsの補給とは関連がないようでしたが、アキレス腱の症状とは逆の関連がありました。
  • 治療の満足度は高く、一部の参加者はランニングスポーツ活動への復帰を報告しましたが、研究期間中に以前の怪我前のレベルに戻ることはできませんでした。

研究の意義と今後の展望

この研究は、アキレス腱症の治療における新しい補助療法としてsCPsの可能性を示しています。
しかし、研究の規模が小さく、男女の分布が均等ではなかったため、結果を一般化する前に、より大規模な臨床試験での検証が必要です。

臨床への応用

アキレス腱症の患者で、休息や他の物理療法に反応しない場合、sCPsの補給が有効な補助療法となる可能性があります。
特に、慢性的な症状を持つ患者にとって、この治療法は痛みの軽減と機能の回復をもたらすかもしれません。

まとめ

アキレス腱症の治療において、特定のコラーゲンペプチドの補給は有望な治療補助手段となり得ます。
この研究は、慢性アキレス腱症の症状を持つ患者にとって、より迅速な回復への道を開くかもしれません。
ただし、この治療法の効果を完全に理解し、臨床的な応用を広げるためには、さらなる研究が必要です。

2023年11月06日 12:32

破骨細胞分化の謎を解く:従来の因子から新たなマスター転写因子NFATc1へ

破骨細胞は、骨の健康を維持するために不可欠な細胞であり、骨の再吸収というプロセスを通じて、骨の形成と破壊のバランスを調節します。

1990年代末までの研究では、破骨細胞の分化に関与するいくつかの分子が特定されていましたが、これらの分子が破骨細胞の分化においてどのように作用しているのか、その特異性については不明な点が多く残されていました。


NFκB p50とNFκB p52は、細胞の生存、分化、免疫応答に関与するNFκB転写因子ファミリーの重要なメンバーです。

これらは炎症反応を介して破骨細胞の分化を促進することが知られており、大理石骨病マウスモデルでその役割が確認されました。


c-Fosは、AP-1転写因子複合体の構成要素であり、細胞の増殖や分化に深く関与しています。

AP-1転写因子複合体は、多様な細胞応答を調節するために、様々な遺伝子のプロモーター領域に結合し、遺伝子発現を制御する複合体です。

c-Fosの欠損は破骨細胞の分化不全を引き起こし、骨の破壊機能に影響を与えることが示されています。


TRAF6は、シグナル伝達におけるアダプター蛋白として機能し、免疫応答や骨代謝において重要な役割を果たします。

TRAF6のノックアウトマウスは、破骨細胞の分化に必要なRANKLのシグナル伝達を妨げ、骨の形成障害を示しました。


これらの因子は、破骨細胞の分化において重要な役割を果たしていることが確認されていましたが、RANKLによる特異的なシグナル伝達経路とは異なる一般的な炎症や免疫応答にも関与しているため、破骨細胞の分化における特異的な調節因子とは言い難い状況でした。
 

この問題に対する解決策は、トランスクリプトーム解析から明らかになりました。

トランスクリプトーム解析は、ある時点での細胞や組織の全遺伝子発現パターンを調べる手法であり、RNAシーケンシング技術を用いて、細胞の遺伝子発現のダイナミクスを包括的に理解することができます。

研究者たちはこの手法を用いて、RANKL刺激によって特異的に誘導される転写因子NFATc1を同定しました。

NFATc1は、破骨細胞の分化におけるマスター転写因子としての役割を果たし、破骨細胞の成熟と機能を促進するために他の遺伝子の発現を制御します。


この発見は、骨代謝疾患の治療における新たなターゲットの同定につながる可能性を秘めており、従来の因子と合わせて、破骨細胞の分化と機能のより深い理解を可能にします。

NFATc1の役割の解明は、骨生物学の分野における重要な進歩であり、骨疾患の治療法の開発に新たな道を開くものです。

2023年11月05日 20:27

RANKL: 骨と免疫系の架け橋としての新たな役割

私たちの体は、骨格系と免疫系という二つの異なるシステムを有していますが、これらは互いに独立して機能しているわけではありません。

実は、これらのシステムはサイトカインと呼ばれるシグナル分子を介して密接に連携しています。

今回は、骨と免疫系の間で重要な役割を果たすサイトカインの一つ、RANKLについて、その驚くべき機能と免疫系におけるその役割に焦点を当ててみましょう。


RANKLの発見:
RANKLはもともと、樹状細胞の成熟と機能を制御する分子として同定されました。
樹状細胞は免疫系において、抗原提示細胞として機能し、免疫応答の開始に不可欠な役割を果たします。
しかし、RANKLを欠損させたマウス(RANKLノックアウトマウス)を用いた研究により、樹状細胞の機能には影響が見られないことが明らかになりました。


RANKLと免疫系の関係:
一方で、RANKLノックアウトマウスでは、リンパ節の形成不全や胸腺の髄質上皮細胞の分化障害といった、免疫系の発達に重要な異常が観察されました。
これは、RANKLが免疫系の発達において、樹状細胞の制御以上の重要な役割を担っていることを示唆しています。


胸腺におけるRANKLの役割:
胸腺はT細胞が成熟する場所であり、ここでの適切な発達は中枢性免疫寛容の成立に不可欠です。
RANKLは胸腺細胞やリンパ組織誘導細胞、γδT細胞からのシグナルとして機能し、胸腺の髄質上皮細胞の分化を促進します。
これにより、自己と非自己を識別するT細胞の教育が行われ、自己免疫疾患の予防に寄与しています。


RANKLと皮膚の免疫:
さらに、表皮細胞から産生されるRANKLが、制御性T細胞の増殖を促し、アレルギー性接触皮膚炎や自己免疫性皮膚疾患の抑制に役立つことが報告されています。
これは、RANKLが皮膚の局所的な免疫調節にも関与していることを示しており、免疫系のバランスを保つ上での新たな治療標的となり得ることを意味しています。


まとめ:
RANKLは、骨と免疫系の相互作用を理解する上で重要な分子であり、免疫系の発達と維持において中心的な役割を果たしています。
RANKLの機能をさらに解明することで、自己免疫疾患やアレルギー疾患の治療に向けた新しいアプローチが開かれる可能性があります。
今後の研究によるさらなる発見が期待されています。

2023年11月05日 20:08

骨の健康を支えるキープレーヤー「RANKL」とその新たな発見

骨は私たちの体を支える重要な構造であり、ただ固いだけではなく、日々生まれ変わる生きた組織です。

この骨の生まれ変わり、すなわち「骨リモデリング」は、骨を形成する細胞(骨芽細胞)と骨を吸収する細胞(破骨細胞)のバランスによって成り立っています。

このプロセスは、骨の健康を維持するだけでなく、カルシウムの代謝にも不可欠です。


骨リモデリングにおいて中心的な役割を果たすのが、サイトカイン「RANKL」です。

RANKLは、破骨細胞の前駆細胞に作用し、その成熟と活性化を促進することで骨吸収を促します。

しかし、RANKLがどのような細胞から発現しているのか、そのメカニズムは長らく謎に包まれていました。


最近の研究で、骨組織内に埋もれる形で存在する骨細胞が、RANKLの重要な発現源であることが明らかになりました。

これまで、骨細胞はその単離が困難であったため、その生理機能についてはあまり理解されていませんでした。

しかし、遺伝子改変技術によって、骨細胞において緑色蛍光タンパク質(GFP)を特異的に発現させるマウスモデルが作製され、これにより骨細胞がRANKLを高く発現していることが判明したのです。


さらに興味深いことに、骨細胞からRANKLを特異的に除去したマウスでは、破骨細胞の分化が障害され、その結果、大理石骨病という状態を呈しました。

大理石骨病は、骨が過度に硬くなる病気で、骨折しやすくなったり、骨の変形が起こったりします。

また、これらのマウスは歯の萌出も不完全であることが観察されました。


この発見は、骨細胞が骨の健康において、これまで考えられていた以上に重要な役割を担っていることを示しています。

RANKLをターゲットとした新しい治療法の開発につながる可能性もあり、骨粗鬆症や関節リウマチなど、骨リモデリングが異常をきたす疾患の治療に新たな光を当てることでしょう。


このように、基礎研究の進展は臨床への応用という形で私たちの健康に貢献していくのです。

骨細胞とRANKLの関係についてのさらなる研究に期待が高まります。

2023年11月05日 19:56

人類の持久力の限界と遺伝子の役割

私たちの遺伝子は、私たちがどれだけ速く走れるか、どれだけ長く走り続けられるかに大きな影響を与えます。
しかし、最新の研究によると、持久力に関連する遺伝子の完璧な組み合わせを持つ人は、おそらく世界に一人もいないかもしれません。
この興味深い発見は、「Similarity of polygenic profiles limits the potential for elite human physical performance」というタイトルの論文で詳述されています。

遺伝子と持久力の関係

研究者たちは、持久力に関連する23の遺伝子多型を特定しました。
これらは、持久力のある個体とそうでない個体の間の遺伝的差異を示しています。
しかし、これらの遺伝子多型の「最適」な組み合わせを持つ個体は、非常に稀です。
例えば、全ての最適遺伝子型を持つ個体が存在する確率は、世界人口に対して0.0005%未満と推定されています。

遺伝子多型スコア(TGS)とは?

研究者たちは、遺伝子多型スコア(TGS)という新しいアルゴリズムを開発しました。
これは、0から100のスケールで個人の持久力に関する遺伝的ポテンシャルを評価するものです。
しかし、ほとんどの人のスコアは中央値に集中しており、完璧なスコア(100)を持つ人は非常にまれであることがわかりました。

人類の持久力の未来

この研究は、私たちの種の持久力にはまだ大きな未開拓の可能性があることを示唆しています。
しかし、その遺伝的ポテンシャルが一人の個体に実現されることはほとんどないでしょう。
これは、持久力が多くの遺伝子によって決定される複雑な特性であるためです。

地域的な遺伝子型の違い

世界の特定の地域からのアスリートが多くの世界記録を保持していることはよく知られています。
遺伝子型の地域間や民族間の違いは、これらの記録に影響を与えている可能性があります。
しかし、これが遺伝的な要因によるものなのか、それとも社会経済的な要因によるものなのかは、まだ明らかになっていません。

健康への影響

低い有酸素運動能力に関連する疾患や死亡率が高い遺伝子型を持つ個体もまた極めてまれであることから、私たちの種としては、一定の健康水準を維持するための遺伝的保護があると考えられます。

結論

この研究は、持久力という複雑な特性が、多くの遺伝子によって決定されることを示しています。
そして、私たちの中には、持久力に関して「完璧」な遺伝子プロファイルを持つ人はいないかもしれません。
しかし、これは同時に、私たち全員が持っている遺伝的な多様性が、私たちの種の生存と進化にとって重要であることを示しています。
将来的には、新しい遺伝子の発見や、遺伝子と環境の相互作用に関するさらなる理解によって、人類の持久力の限界が再定義されるかもしれません。

2023年11月05日 16:46

白血球の貪食作用:私たちの体を守る無形の戦士

白血球は私たちの免疫系の中核をなす存在であり、体内に侵入した異物や病原体に対して日々戦いを挑んでいます。
今日は、白血球がどのようにしてこれらの侵入者を排除し、私たちの健康を守っているのか、その驚くべきメカニズムについて詳しく見ていきましょう。

炎症の現場への急行

炎症は、体が感染や傷害に反応して起こる一連の過程です。
このとき、白血球は炎症が生じている部位に急行し、そこで二つの主要な防御作用を行います。
一つは「貪食作用」、もう一つは「脱顆粒」です。今回は特に貪食作用に焦点を当てて解説します。

貪食作用:微生物を飲み込む

貪食作用は、文字通り「食べる」ことで異物を処理する白血球の能力を指します。
このプロセスは以下の三段階で行われます。

  1. 異物としての認識 - 白血球は特定の受容体を用いて、体外由来の異物や起炎物質を識別します。
  2. 貪食細胞内への取り込み - 白血球は異物を細胞膜で包み込み、細胞内に取り込みます。
  3. 細胞内での消化 - 取り込んだ異物はリソソームと呼ばれる細胞内小器官によって分解されます。

微生物の死滅:リソソーム酵素と活性酸素の役割

白血球内のリソソームには、強力な酵素が含まれており、これらは貪食した微生物を分解し、死滅させます。
また、活性酸素種もこのプロセスに関与しており、微生物を無力化するために使用されます。

二次的傷害:防御の副作用

しかし、この防御メカニズムは完璧ではありません。
活性酸素は非常に反応性が高く、時には白血球外へ放出されてしまうことがあります。
これが周囲の正常組織を傷害し、二次的な損傷を引き起こす可能性があるのです。

結論:白血球の重要性とバランスの取り方

白血球による貪食作用は、私たちの体を病原体から守るために不可欠なプロセスです。
しかし、その過程で正常組織が損傷するリスクも伴います。
これは、私たちの免疫系がどれだけ複雑で、微妙なバランスで成り立っているかを示しています。
免疫系の健康を維持することは、このバランスを保ち、私たちの体を病気から守る上で極めて重要です。

2023年11月05日 11:46

脛骨内側ストレス症候群患者における足首の内反/外反筋力不均衡

脛骨内側ストレス症候群(MTSS)は、ランナーやアクティブなスポーツ愛好家の間で一般的な障害です。

この症状は、しばしば「シンスプリント」として知られ、下腿の内側に沿った痛みとして現れます。

しかし、MTSSの原因は多岐にわたり、その病態生理は完全には解明されていません。

最近の研究では、足首の内反/外反筋力の不均衡がMTSSの発症に関与している可能性が示唆されています。
 

エーゲ大学医学部スポーツ医学科で行われた興味深い研究(Inversion/Eversion strength dysbalance in patients with medial tibial stress syndrome)では、MTSS患者11人と定期的に運動する健康な対照群11人を対象に、足首の内反/外反筋力を測定しました。

この研究は、足首の筋力不均衡がMTSSの発症にどのように関与しているかを理解するためのものです。
 

研究の結果、MTSS患者は外反筋力が有意に高く、内反/外反筋力比が低いことが示されました。

これは、足の過度な回内とヒラメ筋の過負荷につながり、MTSSの発症を促進する可能性があります。

興味深いことに、足の内側縦アーチや舟状骨のドロップには両群間で差が見られませんでした。

これは、MTSSの発症において、これらの因子が必ずしも主要な役割を果たしていないことを示唆しています。
 

さらに、患者の多くが症状の発症前1ヶ月にトレーニングの強度や期間を増加させていたことが報告されています。

これは、トレーニングプログラムの急激な変更がMTSSのリスクを高めることを示唆しています。
 

この研究は、MTSSの予防と治療において、筋力バランスの改善が重要であることを強調しています。

内反/外反筋力の不均衡を示すアスリートやMTSS患者に対して、適切な強化プログラムやリハビリテーションプログラムを提供することで、症状の改善や再発の予防につながる可能性があります。
 

MTSSに関する知識はまだ発展途上ですが、この研究は、MTSSの理解を深め、より効果的な予防策と治療法を開発するための基礎を築く一助となるでしょう。

ランナーやスポーツ愛好家は、トレーニングの質と量のバランスを取りながら、足首の筋力バランスにも注意を払うことが重要です。

2023年11月04日 20:08

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